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第35回イベント・交流会を開催「医療・介護の現場で期待されるロボット活用の現在と未来」

2015年6月22日

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平成27年6月18日(木)、“つながりネット”の第35回イベントを実施しました。今回は医療・介護の現場で活用が期待されている、今話題の「ロボットスーツHAL」について、開発メーカーをお招きしてご紹介いただきました。当日は、実際のロボットスーツを装着する体験もでき、参加者にとっては最先端の技術を身近に感じられる貴重な機会になりました。

HALは人と機械と情報を融合させた世界初のサイボーグロボットで、人が動こうとする際に皮膚表面に流れる微弱な生体電位信号を身体に取り付けたセンサで感知し、コンピュータ制御によって各関節のパワーユニットを適切に稼働させ、装着者の動作をアシストします。脳からの生体電位信号に応じて動く「サイバニック随意制御」とあらかじめ人間の動きを記憶した「サイバニック自律制御」、この2つの制御システムが組み合わさることで、装着者の意思に基づいた適切なアシストを実現しているということです。操作するのではなく、脳からの「意思」を感知して筋肉が動くという技術です。但し、脳から明確な「意思」を発信できない、例えば認知症の方には適用できないということです。

当日は「医療用HAL下肢タイプ」と「介護用HAL腰補助タイプ」、「肘関節・膝関節用の単関節タイプ」の3つのデモ機を実際に見ることができました。下肢タイプは下肢に障害がある方や脚力が弱くなった方を対象にした治療機器で、これをつけて訓練をしているうちに脳が歩けると認知するようになって徐々に歩く機能が回復していくことが期待されているということです。下肢タイプの装着体験はできませんでしたが、他の2つのタイプは数人装着体験ができました。肘関節につける単関節タイプでは、すぐに自分の意思を感じて動くということを実感したとのことでした。腰痛補助タイプは、装着後、「意思」を感じて伝える為のコツを習得するのに少し時間がかかるようでした。

加齢、脳血管障害、脊椎損傷など脳・神経系の疾患で、身体が不自由になってしまった方の、もう一度歩きたい、動かしたいという切実な願いを叶える為に、また、医療・介護現場で働く方の負担軽減のために、これからも機能を開発・進化させていって欲しいと思います。