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第43回セミナー&交流会を開催「褥瘡対策の変化とスキンケアの重要性」

2016年2月18日

つながりネット43回セミナー
平成28年2月16日(火)、“つながりネット”の第43回イベントを実施しました。今回のテーマは『褥瘡対策とスキンケア』で、京都駅前武田透析クリニックの看護師長で、皮膚・排泄ケア認定看護師の加藤昌子先生から、基礎知識と最新の情報をお聞きしました。
ますます進む高齢化社会、テレビでは連日のように様々な番組で健康寿命を伸ばすために、どのような体操をすればいいか、どのような食事で栄養をとればいいかが報じられています。そのPR効果もあって、健康寿命への意識は高くなっていると思いますが、高齢者化社会の進行は止めることはできず、長寿の方が増えると同時に寝たきりの高齢者も増加していき、当然ながら褥瘡患者も増加すると考えられます。これからは在宅看護も増えていきますので看護師だけでなく、介護する家族も褥瘡の基礎知識や対策についての最新情報を知っておく必要があります。
まず、褥瘡の基礎知識として、発生の原因、治癒過程、好発部位、そして定期的なリスクアセスメントで原因の特定から、どのようなケアを選択していくのかを学びました。また、深い褥瘡の治療については、創床環境調整(WBP=Wound Bed Preparation)という考え方を基に、段階に応じた治療選択をわかり易いフローチャートで説明していただきました。感染が認められたら感染制御を最優先すること、壊死組織があれば外科的切除、吸水性のよいドレッシング材を使用、治療が上手くいって良性の肉芽に移行できれば新生表皮を損傷しない保湿性のよい閉鎖式ドレッシング材等の使用で治療を進めていく。感染に強い薬剤、治療選択が誤った例ではどのようなことが生じるか、洗浄の方法、薬剤選択のフローチャート、ドレッシング材の基礎知識や選択のフローチャート、上皮化を促すケア等々、褥瘡について非常に沢山の知識を学べました。スキンケアの重要性では、スキンケアではなく「スキンテア」について、その判断基準、鑑別、ガイドライン、予防等について詳しい説明がありました。
今回の参加の方は、休職中と現職の方が半々で、現職の中にはなかなか新しい知識や情報を学ぶ機会がなく、今回はとても勉強になりましたとのことでした。また、今後復職を考えている方からも、必要な知識を学べてとても良かったという感想が聞かれました。

(アンケートから一部ご紹介)
・聞きなれない言葉もあり難しさもありましたが、基礎知識から具体的な内容まですごく勉強になった。
・昔働いていた頃と変わらないところは復習になり、新しい知識も教えてもらえて良かった。
・今後どこに復職しても褥瘡・スキンケアとの関わりはあると思うので今回勉強できて良かった。
・周りに専門的知識をもって教えてくれる方が少ないので良い勉強の機会だった。
・先月初めて参加して、自分がどう働きたいかを具体的に考えるようになり、それに対する不安等を交流会で話すことで色々な方からアドバイスをいただけたので、より具体的に考えていけるかなと思う。
・最近働く意欲が低下してきていたが、皆さんの色々な経験を聞き刺激になった、もう一度働こうかなという気持ちになれた。