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■ 介護療養型医療施設の廃止と療養病床再編の再考を!(06.4.26)

 

 3月30日に開催されました06年度第2回の近畿病院団体連合会においてで、介護療養型医療施設の廃止並びに医療保険療養病床再編の再考を求める提案がなされました。近畿各府県の病院団体も、これを重要で深刻な問題として捉えているとの報告が相次ぎ、このたび、厚生労働省と国会議員に、下記の要望書を送付しました。

 医療制度改革関連法案が国会で十分に審議されることを望みます。


 

2006年4月25日
近病連発17-03号

厚生労働省医政局長 松谷有希雄 殿
厚生労働省老健局長 磯部 文雄 殿
厚生労働省保険局長 水田 邦雄 殿

近畿病院団体連合会     
委員長 清 水  紘     
(社団法人 京都私立病院協会会長)

介護療養型医療施設の廃止並びに医療保険療養病床再編の再考を求める要望書


 昨年12月、十分議論がなされないまま出された厚生労働省・医療構造改革推進本部による「療養病床の将来像について」によって、2011年度末の介護療養型医療施設の廃止及び医療保険療養病床の再編を盛り込んだ医療制度改革関連法案が審議されています。
 高齢者等の医療を支える病床として長期展望に立ち整備されてきた療養病床ですが、38万床の6割に当たる23万床が廃止されてしまいます。
 厚生労働省は在宅医療に移行すべきであるとしているが、医療の必要性が相対的に低い入院患者の実態を無視し、いわゆる「社会的入院」の本質を究明せず、またその受け皿である在宅の確保も全く見通しが立たないまま、療養病床を廃止・縮小することは、慢性期治療を否定するものであります。
 現に療養中の患者は、行き場への不安感を増幅させており、医療者として看過することはできません。
 また、療養病床を有する医療機関にとっては、その存亡に関わる重大事態であり、さらには多数の介護難民を発生させ、地域医療の崩壊につながりかねない深刻な事態の発生は、絶対に防がなくてはなりません。
 療養病床の再編につきましては、今後、更に増大する要医療・要介護高齢者に対応しうる社会保障システム整備の一環として、医療保険・介護保険を包含した幅広い十分な議論を行うことの必要性を痛感しております。
 このように拙速に進められている療養病床の再編策については、多くの問題点を有していますので、是非とも再考をいただきますよう、以下の通り要望致します。


1.療養病床は、医療法に規定する病床です。介護療養型医療施設の廃止並びに医療保険療養病床の縮小については、療養病床の利用実態の本質を検証することなく打ち出されたものであるので、医療法関連部会(医療部会等)での十分な検討を行うことを要望します。

2.各医療機関は、国の医療政策及び施設基準に基づき、一般病床から療養病床に転換したり、新たに建てたりして療養病床を整備し運営しています。突然、他の介護施設等への転換を促されても、まだ建物の借金返済も行われておらず、建物の構造上転換ができない施設や更なる多額の改築費用に対応できない場合など、厳しい状況が予想されます。
 改築が可能であっても、良好な療養環境を保持することは極めて困難な状況です。
 このことは、超高齢化する地域において、良質で効率的な医療・介護を提供するという理念に反するものであり、再考されることを要望します。

3.厚生労働省は在宅への誘導を指導しているが、日本の現在の家庭環境からはすぐには在宅の受け入れ体制が完備されるかも不透明で、現に療養病床において療養されている患者は、行き場への不安を募らせており、このような改革が断行されてしまうと、受け皿となる施設のない多数の患者が発生し、混乱状態になることが予想されます。それこそ、多数の介護難民を発生させ、社会問題となることは必至であります。
 患者が制度改革の狭間に陥ることなく、安心して、必要で良質かつ適切な入院医療が継続されるよう要望します。

4.平均在院日数の短縮化が進めば進むほど、急性期病院を早期に退院する患者の受け皿となる療養病床は必要であり、医療保険療養病床はその機能を十分果たしています。
 厚生労働省は、医療の必要度が相対的に低い入院患者を、いわゆる「社会的入院」と決め付け排除しようとしており、療養病床を廃止・縮小することは、慢性期治療を否定するものと言わざるを得ません。さらには、今の家庭環境ではすぐには在宅への移行は難しいのであります。
 医療保険財政上の観点のみで、医療から介護へ誘導を図るこのような政策は、介護保険費用の増大を招くものであるので、「社会的入院」の本質を検証されるとともに、医療・介護を包含したトータルな制度を確立されるよう要望します。

                 近 畿 病 院 団 体 連 合 会
                 (社)大阪府病院協会  会長  小川 嘉誉
                 (社)大阪府私立病院協会  会長  生野 弘道
                    京都府病院協会  会長  齋藤 信雄
                 (社)京都私立病院協会  会長  清水  紘
                 (社)滋賀県病院協会  会長  井上 四郎
                 (社)滋賀県私立病院協会  会長  水野 光邦
                 (社)奈良県病院協会  会長  松本  功
                    兵庫県病院協会  会長  中村  肇
                 (社)兵庫県私立病院協会  会長  安田 俊吉
                 (社)和歌山県病院協会  会長  成川 守彦