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心 掛 け
会長 真鍋 克次郎
新年明けましておめでとうございます。昨年は、3月11日に未曾有の東日本大震災と福島第一原発の事故という災害を受け、東北のみならず日本中が莫大な被害と悲しみに陥りました。そんな悲惨な状況に置かれた人達の我慢強く秩序を保つ姿に世界中の人から賞讃を浴びました。日本人の資質が世界に評価され、また多くの支援も賜りました。京都私立病院協会でも被災地への義援金の募集を3月14日より随時受付し、義援金は福島県、宮城県及び岩手県に寄付致しております。また被災された患者の病状に応じて会員病院を紹介し、入院・通院までをサポートする相談窓口を設置し、随時の相談に応じています。また、相談に対応するため、被災患者受入に関する緊急調査を実施、会員における入院受入可能患者数や外来対応可能な診療科、手術等を調査し入院受入患者数を情報提供しました。
更に、被災地からの医療従事者の就職先斡旋も致しております。
この震災をきっかけに、個人、家族や国は自力で生きて行けるとの妄想から解き放され、お互い助け合わなければ生きて行けないとの思いを強くされた事でしょう。世界中でグローバリゼーションが蔓延し、競争によって世界を制圧する事が致上の事とする風潮がありますが、他に打ち勝つ事でなく、それぞれの能力を十分発揮し努力する事が大切である事が解ったと思い知らされました。
今年の干支は辰(龍)でありますが、タイミングよくブータンのワンチュク国王が平成23年11月18日国賓として来日されました。東日本大震災の被災地を訪れ、福島県相馬市の桜丘小学校で子供達と交流しました。ブータン国旗に描かれている龍について触れ、「皆さんは龍を見たことがありますか?私は龍を見たことがあります。」十二支のひとつの中で唯一存在しない今年の干支である辰(龍)を見たという言葉に子供達は、どよめいていましたが、「龍は1人ひとりの心の中に居ます。私達は人格という名の龍を持っています。龍は私達皆の心の中に居て、『経験』を食べて成長します。年追うごとに龍は大きくなるのです。そして私達は感情をコントロールして生きていくことが大切になります。どうか、自分の龍を大きく素晴らしく育てていって欲しい」と児童らに語りかけました。70万人の人口でチベット仏教を国教とするブータン王国は、国民総生産量(GNP)よりも国民総幸福度(GNH)を国是としています。
わずか平均年収10万円の国民が、物質的豊さより精神的豊さを大切にし、国民の97%が幸福であると感じているそうです。
国の方針としてGNHを保つ4つの基本政策として、①持続可能な社会経済発展 ②自然環境の保護 ③伝統文化の信仰 ④すぐれた統治を掲げています。今の日本と比べてどうでしょうか。又、世界の情勢はどうでしょうか。人々の実生活とかけはなれて、金融事情に振りまわされ、ギリシャの経済破綻をきっかけに世界同時不況もきたしかねない状況です。
日本の医療介護福祉の状況を考えても、もはや限界に達しています。地方分権により地方の裁量権を強くして、効率的な運用を期したり、地域包括ケアシステムにより地域医療や介護の破綻をとりつくろうと試みていますが、医療介護や福祉は元々中央集権制にはなじまない制度であります。大量生産システムでは解決せず、手作りの作業が必要な仕事があるということを今一度考え直し、現状のシステムを抜本的に改善しない限り到底解決しないと思われます。
国の方針はどうであれ、私達会員施設は地域の方々が幸せと思える様な、それぞれのブータン王国を作っていきましょう。会員の皆様方が今年一年間、これまで以上に御活躍される事を祈念致します。
2012.1.1









